Quantcast
Channel: いづつやの文化記号
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4078

メトロポリタン美 VS ワシントン国立美!(29)

$
0
0

Img_0004_20220203222901
 デ・クーニングの‘屋根裏部屋’(1949年 メトロポリタン美)

Img_20220203223001
 デ・クーニングの‘女’(1944年 メトロポリタン美)

Img_0003_20220203223001
  スティルの‘無題’(1947~48年 メトロポリタン美)

Img_0001_20220203223001
  ステイルの‘無題’(20世紀 ワシントンナショナルギャラリー)

Img_0002_20220203223001
 ゴーキーの‘ワン・イヤー・ザ・ミルクウイード’(1944年 ワシントンナショナルギャラリー)

現代アートの隆盛に大きく貢献したアメリカの美術家たちの作品はシカゴや
東海岸の主要都市にある美術館へ行けば必ず記憶に残る傑作に出会うことが
できる。とくに作品と接する機会が多いのがNYとワシントンの美術館。
NYはメトロポリタン、グッゲンハイム、MoMA、ホイットニー。ワシント
ンだとナショナルギャラリー、フィリップスコレクション、ハーシュホーン。

NYには4つの現代アートの拠点があるのに館内で写真を撮りまくったとい
う印象があるのはメトロポリタンだけ。グッゲンハイムは過去に2回訪問し
たが、ガイドブックに載っているものでじっさいにみれたのは拍子抜けする
ほど少ない。2015年に再訪したMoMAは初回との間隔があきすぎため目
が慣れなくてオールスターア―ティストを十分楽しめなかった。

NYに較べると、ワシントンはナショナルギャラリーだけでなくすぐ近くの
ハーシュホーンでスティル(1904~1980)の大きな絵画と3点も遭遇
するし、フィリップスコレクションに足を運ぶとロスコ、デ・クーニング
(1904~1997)、アルバースに惹きつけられるといった具合だから、
現代アートに突き進んでいるという実感がある。抽象絵画やぶっとぶアート
ならNYという思いがあったので、ワシントンでビッグネームの面々に開眼
するとはまったく予想していなかった。

メトロポリタンの1階の近代美術のコーナーで目を見張らされたのはポロッ
クの‘秋のリズム’の隣に飾ってあったデ・クーニングの‘屋根裏部屋’。ポロッ
ク同様、大作で無造作に画用紙を角々に切ったものがオール・オーヴァー
(画面いっぱい)にビッチリ重ねて押し込められている感じ。2015年に
行ったときはお馴染みの‘女’が出迎えてくれた。同じ部屋にあるスティルの
‘無題’も大きく、黒のお化けが迫ってくるよう。

ナショナルギャラリーではスティルの黄色の色面が印象的な作品にお目にか
かった。アルメニア生まれのゴーキー(1904~1948)の‘ワン・イヤ
ー・ザ・ミルクウィ―ド’はどこかシュルレアリスムの匂いがする作品、タン
ギーやマッタの画風がかぶってくる。ゴーキーは抽象表現主義が形づけられ
ようとしていた1948年に自殺した。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4078

Latest Images

Trending Articles