ローマの北にあるボルゲーゼ公園にはボルゲーゼ美、ローマ国立近美、ヴィッラ・ジュリア博の3つの美術館が並んでいる。折角ここへ来たのだから全部訪問した。このあたりはタクシーが少ないため徒歩で移動することになるが、公園は大変広いのちょっと疲れる。
左端のヴィッラ・ジュリア博では古代ローマ時代以前の前8~6世紀頃イタリア半島に都市文明を築いたエトルリア人が残した美術工芸品が展示されている。事前の情報からお目当てはエトルリアのテラコッタ造形芸術の最高傑作とみなされる‘夫婦横臥像の棺’。
酒宴で寝台(クリネ)の上に夫婦が仲良く横たわり、飲食や音楽を楽しみながら談笑する姿がじつにいい。エトルリア社会では女性の地位が高かったので女性も宴会に参加しで夫と一緒にエンジョイした。ギリシャでは絶対にありえない光景。
動きのある彫刻もエトルリアの特徴、ギリシャのアルカイック彫刻が静的なのに較べると‘ヴェイオのアポロン像’や‘ヘラクレス像’は今にも動き出しそうな感じ。さらに気を引くのがゴルゴン(メドゥ―サ)の首、東北のナマハゲのようにたくさんの蛇を操るゴルゴンはとっても怖くみえる。
アンテフィクスは神殿の屋根の下端につける軒鼻飾りのことで、装飾のモチーフとしてゴルゴンや酒の神ディオニソスの供の女マイオスの頭部などが使われた。