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パリ ギュスターブ・モロー美術館の忘れもの!

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       パリ ギュスターブ・モロー美

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            ‘出現’(1876年)

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            ‘ユピテルとセメレー’(1895年)

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     ‘オイディプスとスフィンクス’(1864年 NY メトロポリタン美)

1月5年ぶりに訪問したNY、定番の市内観光のときは心はゆるりとしているがメトロポリタン美のなかに入ると俄然目、足、手に力が入ってくる。追っかけ画めざして忙しく館内を動きまわった。

お目当ての作品が次々と現れてくれるのでテンションは上がりっぱなし。鑑賞エネルギーの大半は必見リストに載せている絵画に注がれているので、一度みたことのある作品は名画でも我慢して歩きながらチラッとみるだけ。でも、なかには思わず見惚れてしまうものがある。ギュスターブ・モロー(1826~1898)の‘オイディプスとスフィンクス’もそのひとつ。モローの絵ではこれに最も魅せられている。

その次がオルセーにある‘オルフェウスの首を運ぶトラキアの娘’、ギリシャ神話はライフワークだからこういう絵がお気に入りの上位にくる。3位は2点、幸運にも日本でみた‘キマイラ’(フォッグ美)とモロー美にある‘出現’。

今から22年前の1991年にパリで美術館めぐりをし、モロー美にも出かけた。お目当てはあの有名な絵、サロメの前に洗礼者ヨハネの首が現われる‘出現’。作品の情報はこれしかなくしかも絵が強烈なインパクトをもっているとどういうことがおきるか。今だにわからないのだが、頭のなかが妖艶なサロメの姿に完璧に占領されてしまった。そのため、ほかの絵のことはほとんど覚えてない。

わざわざモローが住んでいた家まで行って沢山飾ってあった作品をみたというのに、‘求婚者たち’や晩年に描かれた‘ユピテルとセメレー’をこの目でみたという実感がないのである。このもどかしい気持ちをずっと引きづっており、TVの美術番組でモロー美が紹介されるたびに大きな忘れ物をしたなという思いにかられる。

大作‘ユピテルとセメレー’を正気の状態でみたら、たぶんこの絵がお気に入りベストワンになるはず。今度は画面の隅から隅までじっくりつもり、願いは叶うだろうか。


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