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Channel: いづつやの文化記号
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美術館に乾杯! ウォレス・コレクション その一

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Img    ボンドストリートから徒歩10分で着くウォレス・コレクション

Img_0001     大美術館の雰囲気をもつグレイトギャラリー

Img_0002     フラゴナールの‘ぶらんこ’(1767年)

Img_0004     フラゴナールの‘恋文を読む娘’(1776~78年)

Img_0003     ブーシェの‘ポンパドゥール夫人’(1759年)

Img_0005     ブーシェの‘日の出’(1753年)

どの美術館にも自慢の美術品がある。ロンドンのウォレス・コレクションにはロココの画家、フラゴナール(1732~1806)が描いた有名な絵がある。その絵をみたい一心でこの邸宅美術館を訪問した。場所はボンドストリートから10分くらい歩いたところ、まわりには格式の高そうな建物が並んでいる。

ここにある美術コレクションは18世紀から19世紀にかけて、ハートフォード公爵家が収集したもの。絵画、陶器、工芸などが25の部屋にどっと飾られている。見どころはなんといってもロココ絵画。そのなかでとくに目を惹くのがフラゴナールの‘ぶらんこ’。

ロココの魅力は画面全体に男女の恋心がほんわか漂っているところ。この絵で主役を演じるのは若い男爵とその恋人だが、その仕草はまるで好きあう高校生とか大学生が互いにもじもじしながらじゃれ合っているよう。だから、異性を好きになったときの感情がちらっと思いだされる。この絵で視線がむかうのはぶらんこに乗った女性が履物を空中に飛ばすところ。このアイデアが大ヒットとなった。

‘恋文を読む娘’は図版では想像できないがボヤッとしていると見落としてしまうほど小さな絵。今は恋文なんて死語かもしれないが、好きな人から返事の手紙がきたときは心臓がどドキドキした。こういう光景をみると雑々した心が洗われる。

ブーシェ(1703~1770)の‘ポンパドゥール夫人’は真に眩しすぎる肖像画、ブーシェの描く女性はエレガントでとても可愛い感じ。日本の女優で言うと沢口靖子がピッタリする。本物のポンパドゥール夫人はどれほどの美貌の持ち主だったのだろう。

2階にあがる階段の壁にかかっているのがブーシェの大作‘日の出’と‘日没’、ブーシェの作品で最も大きな絵が2点あるのだからスゴイ。ティツィアーノやルーベンスが描いた神話画に匹敵する大傑作、息を呑んでみていた。


 



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