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Channel: いづつやの文化記号
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美術館に乾杯! ヴィクトリア&アルバート美 その二

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Img_0001     ボッティチェリの‘ズメラルダ・ブランデイーニの肖像’(15世紀)

Img    ドナテッロの‘キリストの昇天と鍵の授与’(15世紀)

Img_0002   コンスタブルの‘主教の庭からみたソールズベリー大聖堂’(1823年)

Img_0003  コンスタブルの‘舟造り フラットフォードの製粉所付近’(1815年)

ヴィクトリア&アルバート美にはラファエロのほかにルネサンス美術の有名な作品が二つある。ボッテイチェリ(1445~1510)の初期の肖像画‘ズメラルダ・ブランディ―ニの肖像’とドナテッロ(1386~1466)の浮彫り彫刻‘キリスト昇天と鍵の授与’。

ともに作品の前にたどりつくのに時間がかかった。はじめての美術館の場合、館内のレイアウトがよくつかめないのでいくつもの部屋を行ったり来たり。ボッテイチェリの描いた女性はスッキリ顔で15世紀ころに生きたイタリア人という感じがせず、現在の服を着ていたらフィレンツェの街を歩いている女性と変わらない。だから、ボッティチェリの女性にはいつも親しみを覚える。

ドナテッロの彫刻をイタリア以外の国でお目にかかれるのは幸運なこと。ここには3点あり、精神性の高さを感じさせる‘キリストの昇天と鍵の授与’を食い入るようにしてみていた。フィレンツェにあるドナテッロをまだ全部みてないのでまたイタリアに縁があったら追っかけるつもり。

テイト・ブリテンにはターナーがこれでもかというほど展示してあるが、V&Aではコンスタブル(1776~1851)が存分に楽しめる。もっとも惹かれるのが‘主教の庭からみたソールズベリー大聖堂’。主教の依頼で描かれたこの風景画は6点あるが、これは最初に描かれたもの。陽光に白く輝く大聖堂の天にのびる塔が目に焼きついている。手前に並ぶ木と木の間に聖堂を入れる構図はここに立てば誰でも考えそうだが、明るい空や強い生命力を思わせる木々の細かい描写は簡単には真似できない。

‘舟造り、フラットフォードの製粉所付近’は2年後に描かれたテイトにある‘フラットフォードの製粉所’とペアになる作品。コンスタブルは人がいる川の光景を描くのがとても上手く、製作中の舟のまわりをよくみると3人の男性が忙しく働いている。一連の川の絵に200%魅了されている。


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