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国立新美の‘ボナール展’!

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     ‘猫と女性’(1912年 オルセー美)

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     ‘ル・カネの食堂’(1932年 オルセー美)

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     ‘桟敷席’(1908年 オルセー美)

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     ‘化粧室’(1914~21年 オルセー美)

国立新美で9/26からはじまった‘ボナール展’(12/17まで)をみてきた。これまでボナールの作品をまとまった形でみたのは10年くらい前、葉山の神奈川県近美であったマチス&ボナール展だけ。でもこのときは心に響くのがあまりなかったので、ボナールで印象深いのはメトロポリタン、ワシントンのフィリップス・コレクション、ブリュッセルの王立美でみたものくらいにとどまっていた。

ところが、今年はボナールを見直す機会に2度出くわした。はじめはプーシキン美、ここにびっくりするほど大きなとてもいい絵がでていた。そして、今行われている大回顧展。初期のナビ派をやっていた頃の作品にはあまり惹かれていない。お好みは室内の様子を描いたものと裸婦図。

黄色や赤の輝きに心を奪われる作品がどどっと並んでいるのが5つ目のコーナー‘室内と静物 芸術作品―時間の静止’、‘猫と女性’と‘ル・カネの食堂’はチラシに使われているもの。学芸員がこの2点を使いたくなる気持ちはよくわかる。絵から少し離れてみるとほかの作品と較べて一際明るい色彩に深く魅了される。

‘猫と女性’でおもしろいのは白い猫が前足の片っぽをあげていること。ちょっとしたことだが、このポーズのほうが猫の様子を実感しやすくすぐ画面に入っていける。静かな雰囲気に動きをだすところが心憎い。そして、‘ル・カネの食堂’はテーブルの端を画面からはみ出す描き方がいい。見る者はそれを補正するので部屋を大きく感じられる。若い頃浮世絵の技法を学んだことが別の画風に変わっても生きている。

‘桟敷席’はルノワールやカサットらもモチーフにしているが、ボナールの絵もなかなかいい。男女が2人ずつ描かれているが、強い目力の女性が主役で男2人は刺身のつまみたいでまったく目立たない。真ん中に立っている男は可哀想に目から上をカットされている。せめて目ぐらいは描いてやったらいいのに。

裸婦図が並んでいるのはこのコーナーの前。惹かれたのは背中にあたる光を印象的に描いている‘化粧室’とドガの見慣れた裸婦図を一緒に思い出す‘浴盤にしゃがむ裸婦’(ともにオルセー蔵)。

印象派とフォーヴィスム、表現主義をミックスしたような作品に200%やられた。ところで、三菱一号館美ではじまるフィリップス・コレクション展には最も気に入っている‘棕櫚の木’は含まれているのだろうか。今のところこれはパスの予定だが、ボナールがみれるのなら出かけるつもり。


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