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Channel: いづつやの文化記号
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美術館に乾杯! ギュスターブ・モロー美 その二

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Img_0001     ‘一角獣’(1885年)

Img_0002        ‘妖精とグリフィン’(1878年)

Img     ‘ケンタウロスに運ばれる死せる詩人’(1890年)

Img_0003     ‘エウロペ’(1868年)

日本にモロー美から作品がやって来たのは2回くらい記憶している。さらに、2002年に開催されたアメリカのフォッグ美名品展でもモローはサプライズのラインナップだった。‘出現’の別ヴァージョンなどが含まれていたのでトータルの満足度でいうとモロー美よりフォッグのコレクションのほうが良かった。

モロー美蔵では何年前みたのか思い出せないが花園気分満載の‘一角獣’が目に焼きついている。一角獣の絵というと、ローマのボルゲーゼ美でラファエロの‘一角獣を抱く貴婦人’をみたが、この一角獣の存在感はあまりない。これに対し、モローの絵には3頭も登場する。右にいる白い花と剣をもつ裸婦と一角獣に視線がぐっと寄っていく。

この絵のほかにも水彩の‘ケンタウロスに運ばれる死せる詩人’と‘エウロペ’に魅了された。モローの色使いには宝石のような煌きがある。‘ケンタウロス’では詩人の着ている衣装と地面に多く使われている緑の美しさに心が動かされた。

‘エウロパ’はギリシャ神話の中にでてくるゼウスが牛の変身して綺麗なエウロパを略奪する場面を絵画化したもの。二人とも彫刻のように量感的に描かれているため硬い感じを与えるが、構図のとりかたが上手く見栄えのする姿になっている。

妖精の表情にドキッとするのが‘妖精とグリフィン’、妖精はすがすがしく軽やかなイメージだが、この妖精は妖艶でとても濃いキャラ。じっとみていると女優の菜々緒を連想した。夜間、森で出会ったら惹かれるというより吸いこまれるようで怖いかもしれない。

日本でいつかモロー美の‘出現’がお披露目されることを密かに期待している。果たして実現するだろうか。


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