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Channel: いづつやの文化記号
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美術館に乾杯! MoMA その六

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Img_0004     ワイエスの‘クリスティーナの世界’(1948年)

Img_0001     ホッパーの‘ガソリンスタンド’(1940年)

Img_0002     ホッパーの‘ニューヨークの映画館’(1939年)

Img     バルテュスの‘街路’(1933年)

MoMAにはピカソやダリ、シャガールとともに忘れられない絵がある。それはワイエス(1917~2009)の代表作‘クリスティーナの世界’。たぶん、この絵は日本で何年待ってもみられることはないだろう。MOMAにとってはお宝中のお宝だから貸し出しはまず無理。

ポロックやロスコといった抽象画家を横におくとして、すっと画面のなかに入っていけるアメリカの画家で最も魅了されているのはホッパー(1882~1967)とワイエスとホーマー、そしてハドソンリバー派。ホッパーの代表作‘夜ふかしをする人々’はシカゴ美にあり、ワイエスの最も有名な絵はニューヨークで展示されている。

2013年、久しぶりにクリスティーナに会いワイエスに惚れ直したが、その3年後マドリードのティッセン・ボルネミッサ美を再訪したときなんとワイエス展が行われていた!回顧展に遭遇することを夢見ていたので天にも昇る気持ち。購入した図録をときどき開きその精密な写実描写に心を奪われ続けている。

MoMAにあるホッパーは‘ガソリンスタンド’と‘ニューヨークの映画館’、アメリカに住んだことがないので市民生活に対する実感がないが、映画や小さい頃みたTVドラマにはクルマ社会を象徴するガソリンスタンドの光景はよくでてくる。でも、ホッパーの絵には活気がない。あたりは静まり返っていてあの繁栄を極めるアメリカはどこへ行ったの、という感じ。

今は映画館で新作映画を楽しむことはほとんどないが、学生のころは‘ニューヨークの映画館’にいる女性のように席の後ろで立ち見をして次の上映を待つことがよくあった。話題の日中合作‘空海’がはじまったので心が劇場に向かっているが、問題は隣の人の関心が弱いこと。

4年前、東京都美で回顧展があったバルテュス(1908~2001)、‘街路’は‘クリスティーナ’同様、美術館自慢のコレクション。1回目のMOMAではバルテュスが遠い存在だったので、この絵にはまったく縁がなかった。2013年にようやくお目にかかれた。おかげで翌年の回顧展が手ごたえ十分で楽しめた。



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