彫刻作品は部屋のなかでみるより庭や公共の広場に置かれたものを見ているときのほうが心が高揚する。ロダン美でも邸宅のまわりの広場にお馴染みの傑作がどんと立っていた。でも、かなり前のことなので作品がどういう配置になっていたかは覚えていない。
‘考える人’、‘地獄の門’、群像‘カレーの市民’、注文主から受け取りを拒否された‘バルザック像’、いつも出かけている西洋美では‘考える人’と‘地獄の門’をいつもみているが、あとの2点もあったかどうか?日本の美術館でロダンがすぐ思い浮かぶのはほかには静岡県美がある。箱根の森美術館でもみたような気がするが、、
文豪バルザック像についてはパリ訪問の1年前NYのMoMAではじめて対面した。圧のある顔の表情に熱い魂を感じさせる圧倒的な存在感、言葉を失い立ち尽くしてみていた。それまで、‘考える人’がロダンのイメージとして定着していたので、このアクの強い人物表現は大きな衝撃だった。
ロダン美の思い出は彫刻にとどまらない。嬉しいことにルノワール、モネ、ゴッホの絵があった。とくに印象深いのがゴッホ(1853~1890)の‘タンギー爺さんの肖像’、これはどのゴッホ本にも載っている傑作。ゴッホのコンプリートには欠かせないワンピース。この後、日本にやって来たときちょうど広島にいたので、展示されていた山口県の萩までクルマを走らせた。