京都の美術館へ行くときは奈良まで足をのばすことが多い。この度は嬉しいことに奈良博で‘快慶展’(4/8~6/4)が開催中、ホテルのランチビュフェでたらふく食べたあと近鉄の快速に乗り込んだ。
久しぶりの奈良だったので、奈良博までは近鉄奈良駅からすぐ到着すると勘違い。イメージの倍近く15分かかった。途中、大勢の外国人観光客が鹿にせんべいを食べさせていた。以前はこれほど多くの外国人はみかけなかった。京都もそうだが、ここも人気の観光地だからいっぱい外国人がいる。
運慶とともに鎌倉彫刻を代表する仏師快慶(?~1227以前)、その仏像をまとまった形でみるのは2回目。前回は同じ奈良博で行われた運慶との合同展覧会(1994年)、作品の数は20点ほど。今回は全部で36点、そのうちアメリカの3つの美術館から3点里帰りしている。
快慶の仏像でいつも熱心にみているのは目、目をむいて怒りの表情をみせる不動明王は除くとたいていは切れ長のきりっとした目をしている。東大寺にある‘地蔵菩薩立像’はお気に入りのひとつ。この菩薩より目の開きが少し大きくその分目線が鋭いのが‘孔雀明王坐像’、顔のふくらみと厳しい眼光が圧倒的な存在感を生み出している。これをみるのは2004年の‘空海と高野山’(京博)以来、息を呑んでみていた。
最後の展示コーナーに並んでいた立像に思わず足がとまるものがあった。アメリカのテキサス州にあるキンベル美からお出ましいただいた黄金の‘釈迦如来立像’、金泥のコンディションが良いのでついつい見とれてしまう。衣文の流麗な線は慈愛あふれる釈迦如来の美しさを引き立てている。
彫刻好きの隣の方も満足げな顔、快慶は兵庫県の浄土寺にある国宝‘阿弥陀如来像’もクルマで見に行ったのでこの回顧展をもって済みマークをつけられる。ミューズに感謝!