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Channel: いづつやの文化記号
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美術館に乾杯! エルミタージュ美 その九

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Img     ドンゲンの‘黒い帽子の女’(1908年)

Img_0002     ピカソの‘アブサン好きの女’(1901年)

Img_0001     アンリ・ルソーの‘ルクセンブルグ公園 ショパンの銅像’(1909年)

Img_0003    カンディンスキーの‘冬景色’(1913年)

オランダのフォーヴィスム派、キース・ヴァン・ドンゲン(1877~1968)はアムステルダムのゴッホ美でみた‘画家の妻’というインパクトの強い肖像画で開眼した。そのきっかけとなったのがエルミタージュにある‘黒い帽子の女’、ところがここを訪問したときはまだ画家の存在を知らなかったのでこの絵をみたという実感がない。

だから、あとで図録をみてこんないい絵があった?と悔いを残すはめになった。絵画鑑賞にはこういうことがよく
起きる。絵画が好きだからといっても鑑賞のタイミングと画家に対する思い入れがいつも一致しているわけではないのでどうしてもすれ違いが生じてしまう。次回訪問するときリカバリーシストの第一列にこの絵を載せておくつもり。

ピカソ(1881~1973)は青の時代の作品とキュビスム風の人物画など5点くらいみた。そのなかで強く印象に残っているのは‘アブサン好きの女’、絵の描き方はちがうが孤独なカフェの女という点ではドガやロートレックを連想させる。左手を広げて顎にあて右手を肩のつけ体をぐっと細くみせるポーズが視線を釘づけにする。これとよく似た絵をフォッグ美でみたことがある。

アンリ・ルソー(1844~1910)の‘ルクセンブルグ公園 ショパンの銅像’は確か大エルミタージュ美展(2012年)に出品された。画面の多くをしめる緑の木々はルソーのジャングルのイメージとつなっがっているが、シチューキンが蒐集した豹が水牛を襲う‘熱帯林にて’はどういうわけか縁がなかった。今はジャングル画をコンプリートしようと意気込んでいるので惜しいことをした。

カンディンスキー(1866~1944)の抽象画はポンピドーやグッゲンハイムにあるものほど高揚感はえられなかったが、具象的な要素が残る‘冬景色’の明るい色の組み合わせに大変魅了された。


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