世の中には日本国内や海外にある名山を踏破することを趣味にしている人が多くいる。スイスのジュネーブに若い頃住んでいたこときそれほど嶮しくないアルプスの麓をグループを組んで歩いたことがあるが、かなりしんどかった。それ以来山登りは一度もしたことがない。
現在シニアの登山愛好家はかなりの数にのぼるという。今は登山に一番いい季節かもしれない。シニア世代も週末になると日本各地で名山へ果敢にアタックしているにちがいない。あのきつい山登りをこなす体力のある人は本当に羨ましい。
‘ヒマラヤの画家’といわれた福王寺法林(1920~2012)は1974年以来30年近くヒマラヤで過酷な取材をし神の山を描いてきた。芸術家のもつ強靭な肉体と表現意欲の強さのお陰でわれわれは‘ヒマラヤの朝’を共有することができる。あたかも実際にこの絶景をみているように。
十五代楽吉左衛門(1949~)の楽茶碗に大変魅了されている。吉左衛門さんの作品はとにかく腹の底からしびれるほどカッコいい。歌舞伎の世界の市川團十郎的な存在なので、次はどんな作品がでてくるかつい期待してしまう。茶碗の形は丸いものと光悦流の腰から直線状に立ち上がるものがあるが、‘焼貫黒楽茶碗’は手の中にすっと入るような丸みのある茶碗。即興性を感じさせる釉薬の模様が心を打つ。
陶とガラスの大胆な組み合わせが目を惹く田嶋悦子(1959~)のオブジェ、、はじめてお目にかかったとき緑のガラスのパーツがお菓子のゼリービーンズにみえた。モチーフは明らかに植物、これを土とガラスで表現するという発想がおもしろい。