プロ野球の試合をみるのは日本シリーズでチャンピオンが決まるときぐらいのものだが、シーズン中はセパのどのチームが上位にいるか、そしてどの投手、どのバッターがいい成績を残しているかしっかり押さえている。
今年は両リーグとも話題豊富だった、カープが25年ぶりに優勝し、日ハムはソフトバンクと最大11.5ゲームの差があったのにこれをひっくり返して4年ぶりにリーグを制覇した。多くの野球ファンはこの2チームがそのまま激突する日本シリーズを楽しみにしているのに、その前に余計なクライマックスシリーズ(CS)が10/8~19まである。そのため日本シリーズがはじまるのは10/22から。
カープ、日ハムファンにとってCSほどフラストレーションがたまるものはないのでないか。セリーグは2位巨人、3位DeNAはカープから16.5、19ゲームも離されている。こんな成績のチームが出場するCSを行うこと自体が意味がない。まったく余計な試合でニンマリしているのは金儲けができる興行主の球団だけ、野球ファンは何の楽しみもない。
ではパリーグの場合はどうか、もしソフトバンクがCSに勝って日本シリーズに進出したら、日ハムのファンはリーグ優勝したときの感激は一気にしぼんでしまう。この2チームは最後の最後まで優勝を争いチーム力にそう差がないのだから、ソフトバンクが勝つ可能性は十分ある。そうなったら日ハムの選手はおもしろくないし、ソフトバンクの選手でもなにか引っかかるものをかかえて日本シリーズにのぞむことになる。
CSを実施することは野球ファンの楽しみを逆に奪っているのである。今のプロ野球の運営は小池東京都知事流にいうと‘ファンファースト、選手ファースト’になってない。CSをやめて10/8からカープと日ハムによる日本シリーズをやったほうがどんなに盛り上がることか。
でも、こういう改革案の話はプロ野球機構側からは200%出てこないだろう。プロ野球に対してはもう何年も前から愛想をつかしているから期待もしてないが、そんな動きがでてこないようだと野球人気そのものが低下していくことはまちがいない。
つい先日バスケットのプロリーグがはじまった。スポーツ界にはこうした新鮮な風が吹いているし、リオ五輪で活躍した卓球やバドミントン、さらにはリレーであっと驚く銀メダルをとった陸上男子などが注目を集めている。期待に応えてくれないサッカーとファンの気持ちがつかめないプロ野球、気がついたら観客が減っていたということになりそう。